成年後見のご相談
日常生活は、色々な人との契約関係で成り立っています。
判断能力が不十分になった場合でも、日常生活において不利益を被らないよう、
また、老後も自分らしく生きていけるよう、支援してくれる人を見つけましょう。
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ご相談事例1 成年後見制度を知っていますか?
離れて暮らしている一人暮らしの母親が認知症になってしまい、必要のない高額な買い物をしたりしています。
母親の財産を処分して、老人ホームなどの施設に入所させてあげたいのですが、長男である私の判断だけで、手続を進めても大丈夫ですよね。
さち総合法律事務所からのアドバイス
あなたの判断だけで、手続を進めてはいけません。将来、相続人となる可能性のある家族とトラブルになる可能性があるので、他のご兄弟など家族で話し合い、成年後見人の選任を考えましょう。
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ご相談事例2 交通事故と成年後見制度
20歳の大学生の娘が交通事故に遭い、意識が戻らず寝たきりの状態になってしまいました。
加害者側の保険会社の賠償提示額に納得できないので、娘の親である私達が、娘のために裁判所に訴えたいと思っていますが、代わりに裁判手続をすることはできますよね。
さち総合法律事務所からのアドバイス
残念ながら、今の状態で、ご両親が代わりに裁判手続をすることはできません。損害賠償請求権を持っているのは、あくまで娘さんで、ご両親が勝手に娘さんの損害賠償請求権を行使することはできません。
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ご相談事例3 任意後見人とは
夫が亡くなり、現在一人暮らしをしています。最近、足腰も悪くなっているし、認知症や病気になってしまうことを考えると将来が不安です。
離れて暮らす子供達に迷惑を掛けたくないし、ご近所さんも心配してくれるのですが、さすがにお金の管理とかを任せるのも不安です。何か良い方法はありませんか。
さち総合法律事務所からのアドバイス
最近、マスコミなどで話題になっていますが、年配の方々の間で学生の「就活」をもじって「終活(しゅうかつ)」という活動がはやっている様です。財産管理や身上配慮に関する将来の不安に備えて、弁護士など信頼できる法律の専門家と「任意後見契約」を締結しておくという方法があるので、是非、検討してみてください。
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ご相談事例4 成年後見制度があなたを守ります
既に両親も亡くなり、配偶者や兄弟もいない独り身なんだけど、そもそも成年後見制度とはなんですか。
何でそんな制度が必要なのかも分からないし、その制度を利用することで、私にどんなメリット・デメリットがあるのですか。
さち総合法律事務所からのアドバイス
成年後見制度は判断能力が減退または喪失してしまったときに、あなたを守るために必要な法制度です。判断能力が減退または喪失している場合、必要のない契約を締結させられてしまったり、必要な契約を締結できなかったりすることとなり、結果として不利益を受けてしまうおそれがあります。このような不利益を受けないよう、あなたを支援する法制度なのです。
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成年後見制度を知っていますか?
判断能力が減退または喪失している高齢者は、悪質業者などからのターゲットになりやすく、だまされて必要のない契約をしてしまい高額なお金を請求されることもあります。
また、足腰が悪くなるなど身体の機能低下に伴い、一人で日常生活を送ることが難しくなり、ヘルパーさんを頼んだり、老人ホームへ入所しなければならないこともあります。
しかし、既に判断能力を減退または喪失してしまっている高齢者の方だと、自ら必要のない契約を取り消したり、施設入所利用契約を締結することが難しい状況となっていることが多いといえます。
そこで、認知症などにより判断能力が減退または喪失している高齢者のために、必要のない契約を取り消したり、その人に代わって施設入所利用契約をする人、すなわち、「成年後見人」が必要になります。
そして、法律によって、判断能力が減退または喪失している高齢者を支援する法定代理人を決める仕組みを「法定後見制度」といいます。
ご質問内容のお母様の財産は、将来、相続人となるご長男を含むお子様たちの承継する財産となり得るものです。
たとえお母様のために金銭が必要だとしても、ご長男単独の判断でお母様の財産を処分してしまうことは、将来、お母様が亡くなり相続が発生した際、相続財産をめぐるトラブルを生じさせてしまう可能性があります。
たとえば、「処分した財産の一部を隠している。」「勝手に自分のものにしている。」といった疑いを掛けられたりし、家族関係が悪化してしまうことは多々あります。
このように言われのない疑いを掛けられ、また、家族関係が悪化する事態を避けるためにも、家庭裁判所に成年後見人として選任してもらい、「職務として」お母様の財産管理などを行う方が、将来、お母様が亡くなり相続が発生した際、相続財産をめぐるトラブルを回避しやすいといえます。
交通事故と成年後見制度
交通事故の被害に遭った娘さんは、大学生であっても20歳の成人年齢に達していますので、ご両親の同意なく、成人として単独で法律行為を行える年齢になっています。
そのため、ご両親が、娘さんの代わりに法律行為、すなわち、裁判手続をそのまま進めることはできません。
もっとも、娘さんは意識障害によって法律行為を行える状態ではありませんので、娘さんの代わりに裁判手続を行ってくれる成年後見人を選任してもらう必要があります。
また、成年後見人に選任されるのは、本人の親族以外にも、法律及び福祉の専門家その他の第三者や、福祉関係の公益法人その他の法人が選ばれる場合もあります。
さらに、成年後見人を複数名選ぶことも可能で、財産管理を弁護士に任せ、身上配慮を社会福祉士に任せるといった方法もあります。
最近、成年後見人が本人の財産を横領するといった事件も多くあり、家庭裁判所が本人の親族を成年後見人に選任した上で、その成年後見人を監督する「成年後見監督人」を併せて選任することもあります。
なお、余談にはなりますが、交通事故によって意識障害の状態(遷延性意識障害)となった被害者の方が、後遺障害等級認定の申請をしようとする場合、被害者本人による申請の意思表示の有効性に問題があるとして、加害者が加入している自賠責保険会社から、成年後見人の選任を申し立てて欲しいと要請される場合があります。
任意後見人とは
任意後見制度は、本人が契約締結に必要な判断能力を有している間に、将来、自分の判断能力が不十分になったときに行って欲しい後見事務の内容と後見事務を行ってくれる「任意後見人」を、事前の契約によって自ら決めておく制度です。
たとえば、今は元気で体も動くし、自分で何でも決められるけど、将来、認知症やアルツハイマー病などになってしまう可能性があります。
そして、将来の万が一に備えて、公証役場で公正証書を用いて任意後見契約を締結しておき、認知症などによって判断能力が不十分となった時に、家庭裁判所に対して「任意後見監督人」の選任の申立てをしてもらうといった仕組みになっています。
なお、任意後見監督人は、本人が選んだ任意後見人が、きちんと仕事をしているかをチェックする役割を担っています。
もっとも、任意後見制度も完全な制度ではなく、任意後見契約は、ご本人の死亡により終了してしまうので、葬儀などに関する死後の事務に関する委任契約を別途締結しておいたり、また、遺言書を作成しておき、相続財産の分配なども決めておく必要があります。
成年後見制度があなたを守ります
成年後見制度は、「法定後見制度」と「任意後見制度」の2つに分けることができます。
また、法定後見制度は、「後見」「保佐」「補助」の3つに分かれており、判断能力の程度など本人の事情に応じて制度を選べるようになっています。
私たちの社会は、契約を締結することで成り立っています。たとえば、スーパーやコンビニで肉や魚、野菜、弁当・ペットボトルを買う場合、わざわざ契約書を作ったり、印鑑を押したりはしませんが、実際には、売りたい側と買いたい側の双方の合意、すなわち、契約が締結されているのです。そして、契約を締結するには、自分の法律行為がどのような結果をもたらすのかを判断できる能力(行為能力)が必要となります。
しかし、判断能力が減退または喪失している場合、自分の法律行為がどのような結果をもたらすのかを適切に判断できず、必要のない契約を締結させられてしまったり、また、必要な契約を締結できなかったりすることとなり、その結果として不利益を受けてしまうおそれがあります。
以上のような不利益を受けないよう、法定後見制度においては、家庭裁判所によって選ばれた成年後見人などが、本人を代理して契約などの法律行為をしたり、また、不利益な法律行為を後から取り消したりすることによって、本人の保護及び支援を実現するのです。
この成年後見制度の仕組みは、
①本人保護
②自己決定権の尊重
③ノーマライゼーション といった理念によって支えられています。
まず、①本人保護の理念は、単に財産を管理するに止まらず、本人の生活を支えること(身上配慮)まで後見人の役割とされていることに表れています。
次に、②自己決定権の尊重は、本人の意思や考えを尊重し、現有能力(残存能力)を活用していこうという理念になります。
最後の③ノーマライゼーションについては、あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、高齢者や障害者であっても特別扱いをせず、従前と同様、家庭や地域で通常の生活をすることができる社会をつくろうという理念になります。
成年後見制度を利用するメリットは、あなたの判断能力が減退または喪失したとしても、日常生活において不利益を受けないよう保護や支援をしてもらえるということになります。他方で、デメリットとしては、一定の資格や地位に就けなくなってしまうという点が挙げられます。
なお、以前は、選挙権の行使が制限されるというデメリットがあったのですが、公職選挙法が改正され、平成25年7月以降に公示・告示される選挙から、本人も投票をすることができることとなりました。
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