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後遺障害等級認定は誰が決めるの?

2016.03.01

1 後遺障害等級認定は医師が決めるのか?

 

交通事故の被害者の方から、電話相談や来所相談で多い相談のうち、意外と多いのが、

 

「後遺障害等級認定は、主治医(医師)が決めるのではないのですか?」という相談です。

 

また、「病院の先生が、これは後遺症だよ。」「後遺症の認定取れるよ。」と言ってくれたのですが、

 

「私は何級取れますか?」といった質問も多いといえます。

 

 

結論から申し上げると、後遺障害等級認定は医師(主治医)が決めるわけではありません。

 

「損害保険料率算出機構」という組織が、後遺障害に関する調査業務を行って、認定結果を決めているのです。

 

 

詳しい後遺障害等級認定の仕組みなどは、別の機会にお話するとして、

 

おそらく、交通事故の被害者の方で、治療期間が半年間近くなっている方には、

 

損害保険会社の担当者から、

 

「後遺症が残るようであれば、治療を中止して(症状固定として)、後遺障害の認定を受けられてはどうですか?」という打診とともに、

 

後遺障害診断書の白紙と手続の案内の文書が届いているのではないのでしょうか。

 

 

また、通常の日常生活でも用いられる一般的な意味での「後遺症が残った」という状態と、

 

自賠責保険における「後遺障害が残った」という状態は同じではありませんので、

 

何かしらの症状が残れば、何でも自賠責保険における後遺障害等級認定の対象になるわけではありません。

 

 

ですので、主治医(医師)が自賠責保険における後遺障害等級認定の内容に精通しているような場合は別として、

 

主治医(医師)の「後遺症の認定取れるよ。」といった発言は、全くもって当てにならないのです。

 

ただ、主治医(医師)の作成する後遺障害診断書が、自賠責保険における後遺障害等級認定において、

 

最も重要な医療的な証拠であることは間違いないので、後遺障害診断書の記載内容は、十分に吟味する必要があります。

 

 

自賠責保険における後遺障害等級認定の審査は、基本的に書面審査になりますので(醜状障害などは面接があります。)、

 

交通事故の被害者の方の症状を正確に反映した過不足のない後遺障害診断書を作成しないと、

 

記載漏れや記載不十分による不利な後遺障害等級認定の結果、

 

さらには、交通事故の被害者の方の症状とは無関係な些細な表現方法によって、

 

本来受けられるべき後遺障害等級認定が受けられないといった結末を迎えることもあるのです。

 

 

以前、後遺障害等級認定の結果に納得できないので、異議申立てをして欲しいとご相談を受け、

 

後遺障害等級認定結果を分析するため、後遺障害等級認定結果の通知と後遺障害診断書を送付していただいたところ、

 

その後遺障害診断書には、恐ろしい一言が記載されていました。

 

「今後、良くなる可能性がある。」・・・

 

もちろん、後遺障害等級認定結果の通知にも、その言葉が引用され、「非該当」になるのも当然の結果でした。

 

 

 

 

2 後遺障害診断書を返送する前に、示談をする前に相談して欲しかった・・・

 

先ほどお話したとおり、自賠責保険における後遺障害等級認定の審査は、

 

基本的に書面審査になりますので、後遺障害診断書の作成内容には、非常に気を使います。

 

今まで数え切れないくらいの後遺障害診断書を見てきましたが、

 

その内容には、主治医(医師)のパーソナリティが色濃く反映されます。

 

 

詳細かつ丁寧な内容もあれば、「特になし」の一言で終わっている後遺障害診断書など、ピンからキリまであります。

 

医師は、治療が主たる仕事であって、後遺障害診断書の作成自体が主たる仕事ではありませんので、分かりはするのですが、

 

手の施しようのない悲惨な後遺障害診断書というものは、実際に存在するのです。

 

先日ご相談くださった交通事故の被害者の方は、後遺障害診断書を損害保険会社に返送する前に、

 

インターネットで検索して、弊事務所にお問い合わせくださったのですが、

 

誤記や記載不十分の箇所を指摘させていただき、医師に修正追記をしていただいた上で、

 

無事に後遺障害等級認定を受けることができました。

 

 

しつこいくらいに申し上げたいのですが、自賠責保険における後遺障害等級認定の審査は、基本的に書面審査になりますので、

 

後遺障害等級認定の結果に納得できないので、異議申立てをして欲しいと、

 

悲惨な内容の後遺障害診断書を持参または送付くださっても、手の施しようのないケースもあるのです。

 

 

また、意図的なのか、単なる失念なのか分りませんが、損害保険会社の担当者が、後遺障害等級認定手続の案内をせず、

 

示談をしようとしているケースも実際に見受けられます。

 

後遺障害等級の認定がなされれば、飛躍的に損害賠償金額が上昇しますので、

 

もし意図的に案内をしなかったとすると、悪質と言わざるを得ませんが・・・

 

 

実際にあったケースで、約半年間治療をした後に治療費を打ち切られ(傷病名は頚椎捻挫)、慰謝料のみ(約65万円)を提示され、

 

提示金額に納得できないと相談をしてくださった主婦の方でしたが、

 

一切後遺障害等級認定手続の案内を受けていませんでした。

 

 

弊事務所にて、後遺障害等級認定の申請手続を行わせていただいた結果、14級9号の後遺障害等級認定の結果となり、

 

最終解決金は、約350万円(後遺障害部分の自賠責保険金75万円を含む)にて解決することができました。

 

 

焦る必要はありません。後遺障害診断書を返送する前に、示談をする前に、

 

その内容を吟味する時間をゆっくり作りましょう。後で後悔しないためにも。

 

 

ちなみに、弊事務所では、後遺障害等級認定結果の妥当性や異議申立ての可能性に関するご相談も承っていますので、

 

必要資料を郵送またはメール添付にてご送付くだされば、

 

お電話またはメールにて回答させていただきますので、ご遠慮なくご相談ください。

 

 

 

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