さち先生の種まきブログ
損害保険会社はあなたの味方?
2016.02.08
1 交通事故の示談交渉は任せてください?
最近、とある損害保険会社のテレビCMに目が留まったのですが、
交通事故を起こした人(加害者)が一番困ることは、「示談交渉」であるという情報(統計資料)です。
詳しい統計資料は分からず、その統計資料の収集方法やアンケート内容なども不明ですが、
とにもかくにも、交通事故を起こした人(加害者)は、「示談交渉」が一番心配なようです。
昔から、「日本人は、交渉ごとが苦手だ!」なんてことも言われていますが、
やはり、交通事故を起こしてしまったという後ろめたさもあり、示談交渉を避けがちになるというのも分かる気がします。
さて、示談交渉って何をするの?ということなのですが、簡単に言ってしまうと、
「民事上の損害賠償責任の内容(解決金額)を話し合って決める」ということです。
ただ実際には、交通事故における損害賠償金額の算定は、ある程度定型化されているものの、簡単には算定できないケースもあり、
それで示談交渉が決裂して、訴訟提起(裁判)に至るということもあります。
2 損害保険会社の担当者と話さなくてもいいの?
ところで、損害保険会社の担当者は、交通事故の直接の当事者でもないのに、
なぜ交通事故を起こした人(加害者)に代わって、示談交渉ができるのでしょうか?
それは、自動車保険契約(約款)の一内容として、「示談代行サービス」というものがあるからです。
せっかくなので、大手損害保険会社の自動車保険の約款を見てみましょう!
第●条(当会社による解決)
⑴ 次のいずれかに該当する場合は、当会社は、当会社が被保険者に対して支払責任を負う限度において、
当会社の費用により、被保険者の同意を得て、被保険者のために、折衝、示談または調停もしくは訴訟の手続き(注)を行います。
① 被保険者が事故にかかわる損害賠償の請求を受けた場合
② 当会社が損害賠償請求権者から次条の規定に基づく損害賠償額の支払の請求を受けた場合
⑵ ⑴の場合は、被保険者は当会社の求めに応じ、その遂行について当会社に協力しなければなりません。
⑶ 当会社は、次のいずれかに該当する場合は、⑴の規定は適用しません。
① 被保険者が損害賠償請求権者に対して負担する法律上の損害賠償責任の額が、
保険金額および自賠責保険等によって支払われる金額の合計額を明らかに超える場合
② 損害賠償請求権者が、当会社と直接、折衝することに同意しない場合
③ 契約自動車に自賠責保険等の契約が締結されていない場合
④ 正当な理由がなく被保険者が⑵に規定する協力を拒んだ場合
(注)折衝、示談または調停もしくは訴訟の手続き弁護士の選任を含みます。
第1項に書いてあるのが、「示談代行サービス」の根拠になるのですが、被保険者(交通事故を起こしてしまった加害者)が、
「保険会社による折衝には同意しない。自分で対応する!」と意思表明をすれば、保険会社の担当者が、示談代行をすることはできなくなります。
第2項の内容は、悪意ある表現をするのであれば、
「あなた(加害者)が負う損害賠償責任の事件処理を手伝ってあげるんだから、あなた(加害者)も協力しなさいよ」ということです。
もちろん、協力を拒否すれば、示談代行サービスを行ってくれなくなります(第3項4号参照)。
そしてもう1つ大切なのが、第3項2号の条項になります。
これは、交通事故の被害者(損害賠償請求権者)が、保険会社と直接折衝したくないと意思表明すれば、
保険会社の担当者が窓口となって、示談代行サービスを提供できなくなるという内容です。
こうなると、交通事故を起こしてしまった加害者は、自ら被害者と折衝や示談交渉をするか、
又は保険会社の選任した弁護士を代理人として、折衝や示談交渉をしてもらわざるを得なくなります。
ただ、実際の保険実務上は、損害保険会社担当者が、交通事故の被害者に対して、
「弊社(損害保険会社)と直接折衝することに同意しますか?」なんて、わざわざご丁寧に聞いてくることはありません。
3 あなたの損害保険会社の担当者は大丈夫?
大体、どこの損害保険会社の自動車保険の約款も似たようなものですが、損害保険会社の担当者は、この「示談代行サービス」を錦の御旗にして、
交通事故を起こした加害者の意向(示談で早く解決したい)などを確認することなく、
損害賠償金額を減額せんとするための権謀術数をめぐらしているのです。
私が代理人弁護士として、交通事故の被害者の方から示談交渉の依頼を受ける場合、
当然のことながら、依頼者の意向などを確認しながら事件処理を進めます。
しかし、損害保険会社の対応する「示談代行サービス」では、実質的に交通事故を起こした加害者の代理人的立場にあるにも関わらず、
交通事故を起こした加害者の意向をきちんと確認することなく、事件処理や示談交渉が進められている現実があります。
また、気を付けなければならないのが、交通事故を起こした加害者が知らないだけで、
損害保険会社の担当者の何気ない言動によって、交通事故の被害者側ともめてしまって、
示談交渉での解決に至らないケースもたくさんあるということです。
交通事故を起こした加害者からすれば、訴訟(裁判)に巻き込まれて、
「ふざけるなよ!」「何やってんだよ(怒)」という心境かもしれませんが、
損害保険会社の担当者の何気ない言動によって、交通事故の被害者側ともめてしまっているケースは、数え切れないほどたくさんあるのです。
なお、このブログは、特定の損害保険会社及びその担当者の誹謗中傷や業務妨害を目的としておらず、
あくまで私の実務経験に基づく個人的な見解や感想にとどまりますので、お問い合わせをいただいても、
特定の損害保険会社名や担当者名等の情報は、一切回答いたしませんのでご了承ください。
さち総合法律事務所(広島弁護士会所属 弁護士 野村幸保)では、交通事故を得意分野としております。
これまで、150件を超える交通事故事案のご依頼をお受けしてきました。
高次脳機能障害などの後遺障害、死亡事故、慰謝料などの示談交渉も全てお任せ下さい。
全国からのご相談をお受けいたしておりますのでまずはお気軽にお問合せください。
ご相談料は無料ですのでお気軽にお問合せください。 電話での相談も無料で対応いたします。
また、交通事故被害者の方の場合、傷病によっては外出することが難しいかたもいらっしゃると思いますので、
さち総合法律事務所では、出張相談をお受けしています。
ご自宅もしくは近隣までお伺いしますので、ご安心ください。
特に広島県全域(広島市・呉・竹原・三原・尾道・福山・府中・三次・庄原・大竹・東広島・廿日市・安芸高田・江田島)はもちろん、
中国地方(岡山県・山口県・島根県・鳥取県)及び四国地方(香川県・徳島県・愛媛県・高知県)も、
車での出張相談を対応しておりますので、ぜひご利用ください。
-
まずは、お電話かメールにて、お気軽にお問い合わせください。
その際、ご相談をスムーズに行うため、ご相談内容等を簡単にお伺いいたします。 -
弁護士と面談を行います。お持ちいただいた資料等をもとに、お客様のご質問・ご要望等をじっくりと伺います。
-
さち総合法律事務所が、事件の見通し・方針等も含めて、お手伝い出来ることをご提案。報酬・実費等のご案内もいたします。
-
方針や報酬等にご納得いただいた場合、契約締結となります(委任契約書や委任状等を作成します。)。
早速、問題の解決に取りかかりましょう!
さち総合法律事務所
〒730-0012広島県広島市中区上八丁堀3-12 新興ビル6階
082-555-8919
弁護士による法律相談をお探しの方は、さち総合法律事務所(広島弁護士会所属 弁護士野村幸保・弁護士田島侑介)まで、お気軽にお問い合わせ下さい。
どのようなことでもご相談に応じます。
もちろん相談料は無料、お電話での相談も可能です。
特に交通事故(高次脳機能障害などの後遺障害、死亡事故、慰謝料、示談金、示談交渉)は専門的に取り扱っている得意分野ですので、交通事故弁護士をお探しの方はご連絡ください。もちろん相談料は無料です。
広島県(広島市(中区・南区・東区・西区・安佐南区・安佐北区・安芸区・佐伯区)・東広島市・廿日市市・福山市・ 呉市・尾道市・安芸高田市・竹原市・三原市・府中市・三次市・庄原市・大竹市・江田島市)・ 岡山県・山口県を含む中国地方全域対応しますので、ご相談をお待ちしております。