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盲導犬を刺傷したのに器物損壊罪？傷害罪じゃないの？？

2014.09.04

テレビや新聞はもちろん、インターネットでも取り上げられている「盲導犬（オスカー）刺傷事件」について、お話をさせていただきます。

 

報道によれば、警察は「器物損壊罪」（刑法第２６１条）の容疑で捜査を進めているとのことですが、それと同時に、なぜ、人間と同じ生きている動物なのに「傷害罪」（刑法第２０４条）が適用されないのかという疑問の声も上がっているようです。

 

全日本盲導犬使用者の会     このような疑問の声が上がるのは、器物損壊罪（動物傷害罪）の法定刑が、傷害罪の法定刑より軽いことに基づくものではないかと思います。

 

刑法第２６１条には、「・・・他人の物を・・・傷害した者は、３年以下の懲役又は３０万円以下の罰金若しくは科料に処する。」と規定されています。

 

 他方、刑法第２０４条には、「人の身体を傷害した者は、１５年以下の懲役又は５０万円以下の罰金に処する。」と規定されています。

 

  このように、刑法が「人（人間）＝人の身体」と「物＝財産の対象となる物」を明確に区別して規定しているため、警察は、「器物損壊罪」の容疑で捜査を進めているのです。

 

ちなみに、「盲導犬（オスカー）刺傷事件」について、もうひとつ適用される可能性のある法律があります。

 

それは、「動物の愛護及び管理に関する法律（動物愛護管理法）」という法律です。

  動物愛護管理法の第４４条第１項には、「愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、２年以下の懲役又は２００万円以下の罰金に処する。」と規定されています。

 

そして、動物虐待の定義には、当然、正当な理由なく動物を不必要に苦しめる行為が含まれるところ、盲導犬（オスカー）を刺すことに正当な理由などないわけですから、動物愛護管理法の第４４条第１項が適用される可能性が出てきます。

 

法律の適用うんぬんの話は別として、やはりこういうニュースを聞くと悲しい気持ちになります・・・

 

 

環境省自然環境局が、動物虐待防止のポスターを公開していますが、もっとこのポスターを活用して、動物虐待防止の周知徹底をして欲しいですね。

 

  動物の遺棄・虐待防止ポスター（環境省・警察庁）

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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